ベストシステムズ メールマガジン
公開日:2009/10/15

【第123号】HPCにはエンジニア育成が重要!

先日出席した次世代スパコンシンポジウムでは、ハードウェアの開発もさることながら、人材育成について強調されていました。全く同感です。ただ思うのは、研究者ばかりの話がでていましたが、現在、民間・産業界のエンジニアについては危機に瀕しています。

スパコン業界が低迷を始めてからのこの20年間、各会社では、利益にならないスパコン部門は削減または縮小の対象とされ、次の世代が育たず、そして今、スパコンを支えてきた人材は退職の時期を迎えています。

その間、大学や研究機関がHPC分野の若者を育ててきました。そのお陰で、昔よりHPCの研究者は増えたと思います。しかし、産業としてHPCがなければ、先進国とは言えません。その産業を支えるのは、民間のエンジニア達です。私がHPCのエンジニア出身だからということもありますが、研究者とエンジニアのバランスがあってこそ、国家としてHPCが盛り上がっていくものだと思います。研究者は自分の研究に専念し、HPCエンジニアはコンピュータの知識を持って、研究者が望む研究を実現させてあげるのが、本当の姿だと思います。

日本には昔から見下した言い方として、”業者”という言葉があります。しかしことHPCに限っては、これは障害となってしまいます。”顧客”と”業者”はパートナーであり、切磋琢磨しながらお互いに助け合い成長する必要があります。昔の話をすると親爺で嫌われるかもしれませんが、私がまだエンジニアだった頃、エンジニアの強さは”顧客”よりHPCの技術知識があり、”顧客”が持つ問題を克服するための手段を考え、実行する能力でした。これはクレイに限らず、日本のメーカーにも何人もそんなエンジニアがいました。

そのエンジニア達も今では業界を変えたり、偉くなったりしています。ですが、50歳を過ぎてもまだ現役で働いている方々もいらっしゃいます。日本にまだこのような素晴らしいHPCエンジニアがいる間に、なんとか次の世代のエンジニアを育てることができないでしょうか?”業者”と”顧客”がお互いに将来のあるべき日本のHPCの未来を考えるのであれば、今のような安売り合戦にはならないと思うのですが・・・

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